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閑話休題 「オーロラの話」 |
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大気の現象についての感動といえば、20代前半アメリカ留学中にオーロラを見たいと思って、当時のオレゴン州立大学(ポートランド・ステーツ・ユニバーシティ)寮の同室の学友で、現在ロッテ商事で活躍をしている畠中健郎君と一緒にエスキモーの部落まで出かけたことがある。アンカレッジからノーム経由でコツビューというエスキモーが300人位と米軍の通信基地に勤務する数百人が生活している土地であった。2月の厳寒時にアンカレッジから空路ジェット機で3時間あまり真北に飛んだわけだから、外気はマイナス45度もあった。目的は極寒のエスキモーの生活ぶりを知ることとオーロラを見ることであった。3日間の滞在中にはエスキモーの家に招かれてごちそうになったりもした。
ホテルとも壊れかかった小さい宿が空港の建物に併設されていた。冬のこの土地では一日中暗いので、何時頃だったとはっきり覚えていないが、15〜20分くらいの時間をおいて空を仰ぎに出たり戻ったりするのである。(マイナス45度もあれば20分以上は寒くて外に出ていられない)以前はアンカレッジ経由でヨーロッパに出かけていたので、機上からオーロラを見る機会はあったが、北極圏の地上から見るオーロラは格別に印象深かった。水の中に絵の具を溶かし込んだように、天空から湧き出すオーロラは、物音ひとつしない静寂の中から、いつ果てるともなくパイプオルガンを思わせる形状で次々と湧き出すのであった。感動に違いはないのだが、それとは少し違う、神秘さを覚える静かなひとときであった。雲が湧き出るように絶えず変化しながら、そして下部の方から消え去っていくので少し気味悪い感じもした。
これに対してスぺインで見る夕日の感動は、シンバルが突然大きくなり響き続いてティンパニーが乱打されるようなオーケストラによる一大シンフォニーで、ドラマチックこの上ないものであった。殊にマラガの夕陽の、ゴヤの絵画云々の時はそうであった。天地創造のドラマを垣間見た気がしたものである。
地中海太郎
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