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国境の町アルヘシーラスの混沌 |
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アルヘシーラスはヨーロッパ大陸とアフリカ大陸を最も近い距離で結ぶ地点にあって、通常考える国境とはずいぶん異なっている。
アルヘシーラスは、北アフリカ、特にモロッコ人にとってはヨーロッパに渡る最も利便の良い(航空機を除いて)位置にあり、港の周辺はジェラバやカフタンに身を包んだモロッコ人がヨーロッパのお土産をいっぱい買い込んで町中に溢れかえっている感じがする。また、北アフリカなどで悪さをして逃避した人々や政治亡命に近い人達もいたりして、一種独特の雰囲気をかもし出している。彼らにとっては、自国からの追求を逃れるいわば治外法権の土地にあたるからであろう。
ここからアフリカはすぐそこに望まれる。一番近いセウタ(アフリカ大陸にあるスペインの飛地)まではフェリーで1時間前後、タンジールまでは2時間そこそこなので、フェズ方面へはセウタ行き、ラバトやカサブランカへはタンジール(タンジェ)行きの船に乗る。船の中はほとんどがモロッコ人の乗降客だ。日本人は出入国の手続きにそれほど時間をとられないが、見ていると、モロッコ人、アフリカ人はかなり厳しい検査があるようだ。
港に面した大通りには両替屋やモロッコとスペインに関係するオフィスが立地し、ホテルも結構多い。港湾区域を除いて、大通りに面して幅100メートルほどの平坦地しかないので、この町の中心地に行くには海岸からエスカレーターやエレベーター、また階段を30メートルほど上ることになる。高台に繁華街が形成されており、住宅地はさらにその高台の上の斜面にある。結構大きい町だ。
ここではスリやかっぱらいをしたところで対岸のモロッコに逃げ込めば司法は及ばないため、これらの被害にあわないよう注意が必要だ、逆にアフリカ大陸からの場合にもあてはまる。そのような事とヨーロッパとアフリカというまったく異質の接点にあたる土地柄なので、いかにも国境の町であると感じられ、他の国境とは趣が違うので経験するのも悪くはない。欧州中からベンツなどの高級車がこのルートでモロッコに運び込まれるのであろう(盗品として)。そういえば、モロッコにはかなり古い形式が中心だがベンツが多い。
両大陸の接点としてはジブラルタルが一番近い。ターリックの岩と呼ばれる突端に張り出した巨岩がいやでも目に付く。トラファルガーの海戦でフランスを抑えたイギリスが黄昏のスペインから強引にもぎ取った軍事上の要衝だ。これによって地中海からジブラルタルを経由して大西洋に抜けるすべての艦船、商船のチェックが可能になったのである。
地中海太郎
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